勉強する目的にもよるが、筆者が最もおすすめするのはCentOSである。信頼できる統計情報がなく筆者の感覚で恐縮だが、日本で稼働しているサーバーOSのほとんど(感覚的に80%以上)が CentOSかRed Hat Enterprise Linux である。CentOSはRedhat Linuxと完全互換を目指しているクローンなので、CentOSが使えればRedHatも使える。Red Hat Enterprise Linux は有償だが、CentOSは無償である。
2020年の12月にCentOSはCentOS Streamに移行することを発表した。「商用」として利用するのであれば、いろいろな観点から検討が必要であるが「勉強用」として使うのであれば、あまり深く考えずに「CentOS Stream」を使えばよいだろう。
一方で、W3Techsが公開している世界のWebサーバーのディストリビューション別のシェアによると世界で圧倒的に使われているのが Ubuntuである。Webサーバーだけを対象にしているので、そのまま受け取ることはできないが、世界規模ではUbuntuがかなりのシェアを占めているのは確実である。世界のトレンドは何年かしたあとに日本にも反映されるので、Ubuntuも有力な選択肢のひとつである。
<表. 世界のWEBサーバーのシェア (2021年2月)>
No. | ディストリビューション | シェア | 系統 |
---|---|---|---|
1 | Ubuntu | 45.6 % | Debian 系 |
2 | Debian | 21.7 % | Debian 系 |
3 | CentOS | 15.5 % | Red Hat 系 |
4 | Red Hat Enterprise Linux | 1.5 % | Red Hat 系 |
5 | Gentoo | 1.1 % | 独立系 |
6 | Fedora | 0.3 % | Red Hat 系 |
7 | SUSE | 0.1 % | Slackware系 |
8 | Scientific Linux | < 0.1% | Red Hat 系 |
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